藤はその美しさから万葉集をはじめ、和歌や日記などで古くから詠まれた植物のひとつです。花弁が垂れた様子を図案化した下がり藤の家紋が数多く作られましたが、その後、「下がる」という言葉を嫌い、運気の向上を願って花が上に向いた上がり藤と呼ばれる家紋も生み出されました。現在は紫陽花の名所として名高い藤森神社は、その昔藤の森だったといわれ、神紋はあがり藤は使用されています。この紋は上がり藤の中でも茎をひもに見立て結んだもので、水引を想起するおめでたい印象のデザインです。紋をストライプに並べ、色の強弱をつけることで藤の花が乱れ咲く様子を表現しました。