現在でも100を超える種類がある梅の紋は、すでに奈良時代から使用されており、日本人にとって馴染みの深い家紋のひとつです。北野天満宮の寺紋である梅鉢紋や、写実的に表した梅花紋が有名ですが、中には蝶や箙(えびら・矢を携帯する容器)など植物以外のものに例えた紋も存在します。この紋は花弁を横から見た様子を、縁起のよい動物である鶴と重ねた「梅鶴」です。このデザインは、背景をグラデーションにすることで春の空を鶴が優雅に飛ぶ様子を表現しました。
家紋には見えない、ユーモアのある鶴が、きっと名刺を渡した相手を惹きつけるはずです。